2015年総評と豪遊終了について

今年も1年、ありがとうございました。前年に引き続きあまりたくさん(特に自宅鑑賞)はできませんでしたね。少し早いですが2015振り返りします。


  鑑賞した映画本数 : 23本
      名作本数 : 3本
映画館で鑑賞した回数 : 12回


去年に続き半分が映画館鑑賞でした。自宅で映画見るってことがだんだんなくなってきていますねえ。
恒例の今年映画館で観た映画の個人的ランキングです。


1位 : バードマン
2位 : セッション
3位 : キングスマン


堂々の1位はもちろんバードマン。個人的にはここ数年でも無かったなと思えるほどよく出来た映画だなと思いました。この映画に出会えただけでも今年は収穫でしたが、2位、3位にした2作の意欲作も今年は熱かったですね〜。反面、リブートのビッグタイトルが興行成績を賑わした年でもありましたが(今も賑わしてるけど)どうしたってリブートがオリジナルを超えることはないのだから、また金づるかって感じです。ハリウッドも金ないんだなあという...もっと面白い試みをしている映画作品が注目されていって欲しいものです。


さて、この鶏肉豪遊は2015年末で丸9年が経ちました。えらく長いこと映画の感想を文章化するということをしてきたもんです。自己満足でここまで続けてきた映画感想日記ではありますが、今年末をもって終了にしたいと思います。


最後らしく9年間の総評をすると、全体としては感想を書いた映画は415本でした。1年平均で46本ほどですね。よく観たなあと思います。平均2時間だとしたら830時間、つまり約35日間まるまる映画観てたことになります。映画館の鑑賞はトータルで106本。平均1本1500円としたら実に15万9000円!すげぇ。
細かい分析はしませんがけっこう洋画に偏ったなぁって気がします。あとホラーとかラブコメはあまり観ませんでしたね。でも、好き嫌いは割と無く古いものから最新作まで色々観れました。観るべき名作をもっと観とくんだったという後悔はありますが、それは今後ちまちま消化していきます。書かないけど。
映画たくさん観ることで、その作品そのものの面白さだけでなく、時代の流れやキャスト、スタッフの背景も含めて面白いもんだなあという視点を持つことができました。つまらない映画でも、なんでつまらないのかっていう分析をするのは大事!映画撮るわけじゃありませんが、何かにつけ活かせることはあると思うんですよね。これからも、映画が好きだということは変わらないと思います。


いるかどうか分かりませんが、これまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。またどこかで。

ジュラシック・ワールド(4DX吹替) 【23本目】【映画館12本目】

※上映中の映画です。ネタバレご注意ください。


【物語】★★
【演出】★★★
【映像】★★★★★
【全体】★★★★
【総合】70点


【監督】コリン・トレボロ
【主演】クリス・プラット
【公開】2015年

【良かったところ】
この映画の一番の見所である恐竜のパニック感が前シリーズを凌ぐCGと迫力でパワーアップしている点に尽きますね!というかそれをやる映画なんだろという感じ。アトラクション的な見せ場がいくつもあって、それが良い間隔で配置されているのでわくわくして見ることができました。バイクや車でスピード感のある動きが多かったのは素直に楽しめた部分ですね。まさに「現代版ジュラシック・パーク」を目指し概ね成功しているのではと思いました。


【悪かったところ】
子供向けなところもあるでしょうから話がチープすぎる件は置いておいても、明らかに前作シリーズとの比較で「新しい家族像」を引き合いに出したにも関わらず着地が無かったことは非常に残念。そしてせっかく近未来な世界観が良いのに、前作との絡みやオマージュを色々もってきたおかげで「やっぱパークをやるんじゃねぇか!」感が強くなってしまったのも少し残念。そして一番残念なのはラストバトル。新種をすこぶる恐竜なデザインにしたおかげで、どっちがどっちかわかんねぇ!これはけっこう致命的なのではと思います。アトラクションとしてのエンターテイメント性は十分にあったものの、リブート作品としてはどうなんだろうという印象でした。もう少し!頑張ってほしかった!総合点は70点です。


【戯言】
人生初4DXでした。椅子の揺れや牙突や水はとても劇中と同期していて思った以上に楽しかったです。この作品の見せ場も良い間隔で入るしコンセプト的にも近いから余計合うってのもあるんでしょうけども。楽しかったですがなんでもかんでも4DXで観るもんじゃあ絶対ないっすね...

007 スカイフォール 【22本目】

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【物語】★★
【演出】★★★
【映像】★★★★
【全体】★★
【総合】55点


【監督】サム・メンデス
【主演】ダニエル・クレイグ
【公開】2012年

【良かったところ】
冒頭のカーチェイスから始まる列車アクションはかなり見応えありましたね!カジノ・ロワイヤルの冒頭のような緊迫感ありました。ド派手セットは今作も健在ですね!あと、今作は随所に背景のカラーリングが素晴らしいところがありましたね。単に舞台設定というよりは、意図して画作りをアート的にしている気がします。コミカルさほぼ0のボンド映画と背景がこんなに良い味わいを醸し出すんですんですね、けっこう新しかったと思います。しかしハビエル・バルデムはやっぱ頭おかしい人上手いっすね!


【悪かったところ】
冒頭のシーン以外は割とキレの悪くなったボンドを見ているだけっていう...劇中でそういう設定であるにしても、それを払拭するだけのお話運びと演出はボンド映画では見ていても若干飽きるなという印象。世代交代モノとしてはなんかねっていう感じでした。過去作全部見てるわけじゃないので何か意味深いものだったのかもしれませんが、現在の新ボンドシリーズから見てると、むしろアクションとしての醍醐味がだんだん薄れてってるような気がします。タイトルにもなってるくらいだしボンドの生い立ちや感情を案件を通して見せ切ったということでしょうか...総合点は55点です。


【戯言】
と言いつつ慌てて観たのはスペクターがあるからなんすよね。なんだかんだ、期待して映画館に行こうかと思います。

メイズ・ランナー2: 砂漠の迷宮 【21本目】【映画館11本目】

※上映中の映画です。ネタバレご注意ください。


【物語】★★
【演出】★★★
【映像】★★★★★
【全体】★★★
【総合】65点


【監督】ウェス・ボール
【主演】ディラン・オブライエン
【公開】2015年

【良かったところ】
今回もしっかりランナーしてるところですね!その緊迫感たるやすごい。迫力のあるアクション映画は数あれど、ここまで「逃げる」ことに特化した映像の作り方はなかなかないんじゃないでしょうか。映像化したことの利点を思いっきり活かせているエンターテイメントでした。あと音楽めっちゃいいです。


【悪かったところ】
前作でも割と目立ったとこですが、物語の理屈です。前作はまだ基本塀の中の話だったから良いものの、今回は迷路の背後の組織に迫ってくわけですから「何のために逃げたり戦うのか」はより重要になるはずなんですがね。そのへんがふわっとしたままよく分かんない。結局主に逃げるのはゾンビからだし。まあ、「いいんだよ細かいことは」ということかもしれません。若者たちが大人の食い物にされないよう逃げる、障害からも頑張って逃げる。そういう映画です。でも見るなら映画館で!総合点は65点です。


【戯言】
1から2が割とすぐだったから3もすぐかなと思ったら2017年アメリカ公開ですって...サクっと終わってほしいですねこの手の話は...

キングスマン 【20本目】【映画館10本目】

※上映中の映画です。ネタバレご注意ください。


【物語】★★★
【演出】★★★
【映像】★★★★
【全体】★★★★
【総合】70点


【監督】マシュー・ヴォーン
【主演】コリン・ファースタロン・エガートン
【公開】2015年

【良かったところ】
勧善懲悪のスパイものとして必要なエージェント感、それらしい振る舞い、倒すべき敵が明確である点は話に入りやすかったですね。しかし最も良かった点はアクションシーン!洋ゲーFPSを思わせるめまぐるしく変わるカメラワークに時折入るプレイヤー視点に様々な武器ガジェット。さすがはキックアスのマシューボーン監督という感じでしょうか。肉弾戦の爽快感とキレという点では随一の出来でした。演出も、コミカルな描写部分は良かったですね。


【悪かったところ】
誰もが思う点だと思いますが、結局コリン・ファースのカッコ良い見せ場がないんだよね...あるのはチンピラ倒すところだし、一番カッコイイシーンはかっこ良くあってはいけない文脈だし、もっとその辺に気を使って欲しかったです。あと、満を持して登場のスパイ組織にしてはやり方ザルすぎるだろ!せっかくのコミカル演出も、潜入部分はヘンに真面目にやっちゃったからお遊戯みたいになっちゃった。お話運びが実に残念。良かった部分を若干食い気味にしてしまった感じがありますがなかなかない映像が見られるという意味では今観るべき映画だと思います。総合点は70点です。


【戯言】
キックアスもそうだけど不必要にグロいシーン好きですよね。でも終わり方はお約束だけど良かった。本当に惜しすぎる映画です。

バケモノの子 【19本目】【映画館9本目】

※上映中の映画です。ネタバレご注意ください。


【物語】★★★★
【演出】★★★★
【映像】★★★★★
【全体】★★★★
【総合】85点


【監督】細田守
【主演】役所広司染谷将太
【公開】2015年

【良かったところ】
これまで数作品、家族の絆を描きつつ躍動感のある画面を描いてきた細田監督だと思いますが、この作品にしてそれらが完全にテーマに落とし込まれた傑作が生まれたのでは!熊徹と九太の家族を超えた絆はベタな描き方なれどやっぱりしてやられます。感動します。それでいて、今回は細田監督作品の中でも一番アクション的な見せ場が多いと思いますね。多いにも関わらず、アクショシーンの素晴らしさとそれを裏付ける話の展開が非常に綺麗に結びついていて観客を釘付けにする!この辺りの盛り上げ方はジブリに勝るとも劣らない!あと、何気にものすごく自然に入ってた作画のようなCG。素晴らしい。


【悪かったところ】
もう素晴らしい作品なんですが、あえて言うなら九太が割とどっちつかずというか、前作みたいな人間or獣の葛藤があまり描かれないことですね。あとはいかにも商業的〜という感じのキャスティングとEDのミスチル...
まあ何にせよ名作。最高でした。細田作品は合わない人も多いみたいですが、合う人は間違いなく傑作!総合点は80点です。


【戯言】
細田作品が合わない人の意見で、「薄っぺらい家族愛の形」みたいな意見がありました。綺麗事ってことなんですかね...?完全なるファンタジーとしてなら楽しめる気もするんですが...