市民ケーン [32本目][DVD] ☆名作7本目

市民ケーン [DVD]
<1>構成 □□□□□□ 6<2>演技 □□□□□□□□ 8<3>技術 □□□□□□□ 7 <4>余韻 ■■■ 3<総合> 69点


新聞社を経営し、かつての経済界の大物であったチャールズ・フォスター・ケーンが自宅の宮殿で亡くなります。死ぬ間際残した言葉「バラのつぼみ」の意味を探るべく、編集者トンプソンは関係者に話を聞いて回り、ケーンの生涯を追います。新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストの人生を描いた映画です。
この映画の残した功績は大きいようです。特に映像としての構成やカメラワーク、音楽をバックにした情緒性のあるシーンなどです。今となっては当たり前の技術も、こういうところが原点なんですよねー。それを現代から感想書くのもまた難しいですが、この映画に関して良く言われるのはディープ・フォーカスです。カメラを手前に置いて、手前に人や道具を置きながら奥でもさりげなく動きを見せて関連させるという。効果的なのに静の演出で良かったです。個人的には、エミリーとの食事シーンを時間ごとに繰り返すところがおおっと思いましたね。少なくなってく会話、最後の2人の距離感。お互いの感情がすぐわかるところでした。そしてバラのつぼみの意味が一見わかりにくいのですが、まさにケーンの一生を表わしていたことも感慨深いです。面白いというよりは、アビエイターのような、成功しながらももっと大切なものを追い求める人間の悲しい部分が浮き彫りにされてる映画でしたね。
さて、名作であることは承知ですがやはり時代を感じてしまいます。ゆったり進む展開と白黒の映像。現代映画に慣れているとどうしてもずっと集中して見ることはできないかもしれません。しかし映画好きなら見ておきたい作品だと思いますね。総合点は69点です。


アバウト・シュミットグラン・トリノなど晩年の人間を描く作品はやっぱ何か考えさせられるところがあります。だいたいは人間の醜さが露呈してしまうんですがね・・・。