生きる [26本目][DVD] ✩名作11本目

生きる<普及版> [DVD]
[監督]黒澤明

[主演]志村喬<ストーリー> ★★★<映像>    ★★★★<演技>    ★★★★★

  ★★★<総合点>   75点


役所に30年勤め続ける市民課長の渡辺は、胃癌で余命が少ないことを知ります。これまでの人生を振り返り始めた渡辺は、少ない人生を本当の意味で生きることを模索します。黒澤監督のヒューマンドラマ映画です。
時代背景などが今とはだいぶ異なるのでアレですが、しかしお役所というものの性質は同じでしょう。その中で死んだように毎日を過ごしていたという状況、今でも十分通じるものがあると思います。この映画の肝は何と言っても志村喬の演技でしょう!これは、文句なしに超一流です。余命を知った男、不器用な男、静かなる闘志に燃える男。色々な感情シーンがありますが一人の人物をここまで描ききれるのかという表情と仕草には脱帽です。
有名なシーンですが、渡辺の最期のブランコは何とも言えない哀愁と無念、それでいて最後をしっかり生きたという満足感がにじみ出ていて素晴らしいです。渡辺がやり遂げたことがリアルタイムでなく、後に語り継がれる形で再現されてあるのも変化の大きさが現れてて良かったです!とにかく本当に生きるとは何なのか、人間とはというところを鋭く描いた作品です、考えさせられる話が好きな人は是非見てください。総合点は75点です。


最近、宇田丸さんのシネマハスラーを良く聞いています。あれくらい的確で表現に富んだ映画の感想書けるようになりたいものです...