チャップリンの殺人狂時代 [27本目][DVD] ✩名作12本目

殺人狂時代 コレクターズ・エディション [DVD]
[監督]チャールズ・チャップリン

[主演]チャールズ・チャップリン<ストーリー> ★★★<映像>    ★★★<演技>    ★★★

  ★★★<総合点>   60点


30年間勤めた銀行を解雇されたアンリ・ヴェルドゥは資産を持つ女性と親しくなっては殺し、金を奪うことを仕事としていました。混乱の世相の中、彼の犯罪者としての生き方を通して世の中を皮肉った晩年のチャップリン作品です。
チャップリンの持ち味である喜劇が少なく、当時の世界に疑問を投げかける造りですね。唯一親切にした女性の、本当の愛の話や後に立場が逆転しているあたりが粋な演出でしたね。そして有名な刑務所内でのセリフ。「一人殺せば犯罪者だが大量に殺せば英雄だ」まさに当時の戦争を弾圧した言葉ですね。ラスト付近の振る舞いにそれが集約されてると思います。
しかし個人的には少し反戦をテーマにしすぎたおかげでエンターテイメントとしてどうなんでしょう、ってことです。時代ももちろんありますが、殺人はいつだって悪なので何しれっと言い訳してるんだ、って気分になります。独裁者の時のような、然るべき人物が然るべき立場で説いた感がない。加えて、殺人鬼として迫力も悪いオーラもない。良い人にしか見えないんです。チャップリンのイメージを逆手に取れてないと言いますか、設定が全然生かされてない。どうも最後に言いたいことだけ言って終わった感のある映画でした、チャップリン好きですがこれはチャップリン作品の中でもう〜んと言わざるを得ません。総合点は60点です。


これ2011年最後の映画です。奇しくも2010年最後の映画もチャップリンだったという。ってそんなことはよくて、大反省会の開幕でございます!!