時計じかけのオレンジ [10本目] ☆名作3本目

時計じかけのオレンジ [DVD]
[公開] 1972
[監督] スタンリー・キューブリック
[主演] マルコム・マグダウェル<物語> ◇◇◇<映像> ◇◇◇◇<演技> ◇◇◇◇◇<音声> ◇◇◇


<総合> 75点

犯罪集団のリーダーアレックスは、仲間の裏切りが原因で警察に逮捕され刑務所に服役することになります。しかし犯罪者を更生させる心理療法を受ければ服役が短くなると知り、その被験者へと志願します。
現実というものの恐ろしさや理不尽さを痛感する映画でした。自分のルールを自由に貫いていたアレックスが、一転社会のルールに翻弄される姿はまさに笑えない現実というヤツでその描き方が生生しい。人の自由や欲望なんてそんなもんだよという無常感が、キューブリックの静かでシュールな画にマッチしてたんじゃないでしょうか。主演のマルコム・マグダウェルがすごく怪演ですね!前半と後半の顔つきの違いにはビックリしました。脇役者陣もすごく良い味を出してて、何もかもが歪んでるようなサイコ的感覚を覚えましたね。
この映画も色々考察されて議論があるんでしょうが、楽しみ方を間違えるとただの胸糞悪い映画になってしまうと思います。前半部分の犯罪シーンは意図的なんでしょうけど、割とリアルで不快でしたねー。もちろんそれがあるからアレックスの嫌悪感に共感も抱くわけなんですが、そこらへんのバランスが人によって違うので難しい映画だと思います。しかし名作であることに変わりはない納得の面白さでした、総合点は75点です。


この映画、犯罪を助長するんじゃないかという意見もあるようです。確かにドラッグ的な演出ではありますからね...しかしそこがキューブリック作品の味と言えば味なわけで...