Dolls [22本目]

Dolls [ドールズ] [DVD]
[公開] 2002
[監督] 北野武
[主演] 菅野美穗、西島秀俊<物語> ◇◇◇<映像> ◇◇◇◇◇<演技> ◇◇◇◇<音声> ◇◇◇◇


<総合>80点

婚約までしていた佐和子との結婚をとりやめ出世のため別の女性と結婚することにした松本は、式の当日佐和子が自殺未遂をしたことを知ります。松本はすぐに佐和子を連れ出し、2人は放浪を始めます。
ちょっと褒めすぎかも分かんないですが、日本映画の真髄!日本人にこそ感じられる静なる美と栄枯盛衰がふんだんに盛り込まれた素晴らしい作品だと思います。まずは何といっても画面いっぱいを魅了する四季と色彩!2人は繋がれたまま色々なところを歩くわけですが、そこに言葉はほぼありません。ただ一緒に、色々な景色を見る。ただそれだけのことがとても感動的なのです。でもそういうものなんだ、と思わせる力強くも儚い演出には脱帽です。それを支える久石譲の音楽、最高です。
並行して描かれる2組の男女に共通するのは「狂気的な愛」ですが、それが別々の形で表現されていることも良かった。愛がベタベタに強調されすぎないのはセリフの少ない北野作品だからこそ映えている面でしょう!しかし、3組とも異常なまでの愛が伝わってくる。何という映画なのだろうと言わざるを得ません。個人的には超オススメの一作となったんですが、好みは別れるかもしれません。あとラストはもっと綺麗に終わって欲しかったな。総合点は80点です。


しかし北野監督は天才ですねこれ。キューブリックに影響を受けているのが分かりますが僕キューブリックより好きかもしれません。しばらく北野監督ブームが続きそうです。