千年女優 [12本目]

千年女優 [DVD]
【物語】 ★★★ (3)
【演出】 ★★★★ (4)
【映像】 ★★★★ (4)
【全体】 ★★★ (3)
【総合】 70点 


【公開】2002年
【監督】今敏
【主演】荘司美代子、小山茉美ほか

[概要]
かつての大女優だった藤原千代子のもとに、ドキュメンタリー制作のインタビューのため橘が訪れます。千代子はその半生を思い出しつつ語ってゆきます。


[感想]
今監督ならではの異世界演出がすごく良い感じに、かつ斬新に入って来る構成でした。千代子のいわば自伝的なストーリーではあるんですが、題名にふさわしく、彼女が生涯追いかけていた初恋の人と、「演じる」ということとを上手くリンクさせてある。生涯を語るのに便宜的に使われる映画の舞台の時代が段々現代に近づいていくのも良い演出ですよね。というかそれがあるからこそ、現代に近づいた時、映画のワンシーンなのか本当の姿なのか分からなくなってくる。でも表現したいのはそういうことなんだと思います。すごく緻密にできた作品です。
橘と、カメラマンの絶妙な掛け合いも良かった!重い話の中にコミカルな軽い感じが随所に入ってしんどくならない。一見違和感のある世界にうまく観客を取り込んで一緒に旅をさせる、構成と演出がまさに秀でている素晴らしいアニメ作品でした。アニメ好きのみならずよくできた映画が好きな人にはぜひ観て欲しいですね。総合点は70点です。


[戯言]
平沢進好きとしては別にいいんですが、BGMが平沢すぎないかとちょっと思いましたけどね。今監督はお葬式で師匠の曲を流したくらいですからすごいです。