風立ちぬ [29本目][映画館7本目]

※上映中の映画です。ネタバレご注意ください。


【物語】 ★★★ (3)
【演出】 ★★★★ (4)
【映像】 ★★★★ (4)
【全体】 ★★★★ (4)
【総合】 75点


[公開] 2013年
[監督] 宮崎駿
[主演] 庵野秀明

[概要]
飛行機の設計を夢見る少年堀越二郎は夢の中で設計士カプローニに出会い、決意を固めます。そんな中関東大震災が発生し、二郎は偶然奈緒子と出会います。


[感想]
今までの宮崎駿のエンターテイメントを追求した作品とは全く方向の違う、実にしっとりとした映画でした。しかし、そのしっとりさ、重厚さにジブリの持つ軽やかな作画表現がすごく合ってましたねー。特に夢の中のシーンなんかはお得意の幻想感がすごい現実との乖離で良かったと思います。話の大事なところでも夢が軸になってて好きでした。何より戦争うんぬんっていう重いテーマじゃなく、人として二郎を描いてあって好印象でした。
効果音を人の声でやるって試みは最初大丈夫かと思ってましたが見てみると意外と良かったですね。ああこれがやりたかったのか、ってのが分かりました。飛行機愛、戦闘機愛みたいなのが作品全体に滲み出てたと思います。
しかしやっぱり庵野秀明の声優起用は...うーん。慣れはするけどやっぱりひどいだろあれ。棒読みにもなっていないというか...ずっと気になったまま終わってしまった。いい作品だっただけにもう少し感情こもってくれれば...割と期待してただけにそこは残念。ですが、これまでのジブリと違う落ち着いたテーマで予想以上に面白かったです。総合点は75点です。


[戯言]
しかし宮崎駿監督もこういう作品作るようになったんですね。なんか、ああ、ついに晩年なんだなって思うと微妙に切なくなりますわ。